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お勉強ノート あるいは、未来の自分へ向けた経過報告

お勉強のためのメモです。主なコンテンツは京都新聞の社説と心理学関係書籍の縮約、英文教科書の和訳です。目指しているのは「チャーリー・ゴードンの『経過報告』」。

第2章 信頼概念の整理(1)・・・信頼の多義性

山岸俊男「信頼の構造」縮約

 第2章の目的は、信頼についての概念整理を行う。すなわち、第1章で示したパラドックスは、我々が普段、信頼という言葉に含まれる多義性を区別していないことに由来することを明らかにする。

 

「信頼」の多義性(原文:1422字 縮約:474字)

例1 以前に治療した歯が痛みだした。この歯医者はもう信頼しない。

例2 聞いたことのないメーカーが、高性能で低価格のコンピュータを通信販売で売り出していた。信頼のできる大手メーカーの製品は、性能の割には価格が割高である。大手メーカーの製品を購入すべきか、通信販売で購入すべきか。

例3 娘が結婚したい相手を家に連れてきた。話してみると誠実で信頼のおけそうな人柄なので安心した。

 

 これらの例では同じ「信頼」という言葉が使われているが、その意味する内容は明らかに異なっている。最初の例では、歯医者が無能であったことが問題とされている。婚約者の場合には、人格が問題とされている。

 これに対して大手メーカーに対する信頼はいずれとも異なり、信頼できるとしたら、評判を損なうような行動をするとメーカー自身が損をすることが分かっているからである。

 これらの、いずれの場合にも、安心して何かをまかせることができるという点では共通している。こういった共通点を探していけば、すべての用法に共通する定義することができるだろう。

 ルーマンやバーバーは、このやり方で信頼を定義しようと試みた。