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お勉強ノート あるいは、未来の自分へ向けた経過報告

お勉強のためのメモです。主なコンテンツは京都新聞の社説と心理学関係書籍の縮約、英文教科書の和訳です。目指しているのは「チャーリー・ゴードンの『経過報告』」。

第2章 信頼概念の整理(2)・・・自然の秩序と道徳的秩序に対する期待

山岸俊男「信頼の構造」縮約

自然の秩序と道徳的秩序に対する期待(原文:1331字 縮約:443字)

 信頼(trust)のもっとも広い定義としては、ルーマン(Luhmann,1979)の定義を援用した、「自然的秩序および道徳的社会秩序の存在に対する期待」という、バーバー(Barber,1983)の定義がある、

 ルーマンが道徳的社会秩序とともに自然的秩序の存在に対する期待を含めたのは、この2つの間の共通点こそが「信頼」のコア(核)であると考えたからだと思われる。その共通点とは、現実の単純化である。人間の情報処理能力には限界があり、情報を単純化して処理しているが、信頼の意義は、現実の中に何らかの規則性を見出し維持する助けとなる点にある、とルーマンはしている。つまり信頼は、認知心理学者が「認知的けち(cognitive miserly)」と呼ぶメカニズムだということになる。

 しかし、本書は、信頼は情報処理の単純化によってもたらせれるのではなく、逆に、より複雑な情報処理によってもたらされるとする立場をとる。そこで、本書では、信頼の定義から、自然的秩序の存在に対する期待をはずすことにする。